借金問題の知識と相続のお話。

借金まで相続?!財産の相続と債務の遺産相続。

人が死んだ場合、当然ながら遺産が相続されますよね。

誰かが死んで相続されるのは、遺産(プラスのお金)だけではなく、
借金(マイナスのお金)も相続されてしまいます。

少しわかりにくいと思いますが、まず遺産についてもお話してみましょう。


●遺産相続について

はじめに「遺産相続」とは、死亡した人の配偶者(妻あるいは夫)と、
その子供、孫が、死亡した人の遺産を受け取る事です。

遺産を相続するには、まず遺産を相続する「相続人」は誰なのか、
「遺言書」はあるのか、「財産目録」により遺産の総額の把握が必要になります。

遺産の相続人は、自分たちで好きなように決めてしまうのではなく、法律に従って決定しなければなりません。

法定相続分の主な例としては・・・
遺産相続01.jpg
参考:https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/05_4.htm


また、例えば子供が2人いる場合には、遺産の配分は配偶者が2分の1、
子の2分の1を子の人数で分けることになります。

どういう事かと言うと、一例として6000万円の遺産がある夫が死亡した場合、
その配偶者である妻が6000万円の2分の1である3000万円を相続し、
その2人の子供が、子の相続分である2分の1の3000万円を分けるので、
1人の子供は1500万円、もう1人の子供が1500万円という事になるんです。

子供がいない場合の、父母の配分もこれと同じようになります。


ですが、遺言書がありその中に遺産分配が記載されている場合には、遺言書に従います。

遺言書の遺産分配の内容に不服がある場合には、不服申し立てをする事ができますので、
遺言書に記載されている内容を第一優先にされながらも、ある程度相続の面では考慮してもらえる事になります。

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●では、遺産の中でも「債務」はどうなるのか?

はじめの方で、財産となるのはプラスの遺産、債務などはマイナスの遺産というお話をしましたが、
債務(借金)さえも相続の対象になってしまいます。

遺産の相続人は、プラスの財産だけではなくマイナスの財産と、
その返済義務も引き継ぐ事になります。
つまり、財産を相続した場合には債務(借金)の返済をしなければならないんです。


ではどうしたらいいのかというと、死亡した人にどれだけの財産と、
どれだけの借金があるのかを性格に把握する事が最優先になります。

「財産だけに気を取られていたら、あとあと借金の方が高額である事が発覚した!」
なんて事にもなりかねません。


●必ずしも債務を相続しなければならないのか?

財産と債務を整理しているうちに借金が発覚しても、相続する財産の方が多いのであれば、
相続した財産から借金を返済すればいいですよね。

ですが、逆に「相続する財産よりも債務の方が多い!」という事がわかったとします。
この場合、財産を相続したとしても返済しなければならない借金の方が多いと、
遺産相続した方がリスクがある事になります。


債務は、必ずしも相続しなけらばならないのでしょうか?

相続する遺産の中に債務も含まれている場合に、「相続破棄」または「限定承認」という法律があります。


★「相続破棄」とは
この相続放棄とは家庭裁判所に申し出る事で、相続人が財産や債務全てを相続しないというものです。

相続放棄は、相続を開始した事を知った時または相続人が相続人になった事を知ったときから
3ヶ月以内に家庭裁判所に申述をする事で、相続人ではなくなる事ができます。

3ヶ月を過ぎてしまうと、相続破棄をする事ができなくなってしまいます。

また相続破棄をすると借金を返済する義務を破棄した事と同時に、
当然ですが財産までも相続する権利がなくなります。
つまり、財産だけ相続して借金だけ相続しないという事は不可能です。


<相続破棄に必要な書類>
・申述書
・相続人の戸籍謄本
・死亡した人の除籍(戸籍)謄本(兄弟姉妹が相続放棄をする場合には出生から死亡した記載のあるものまですべて)
・被相続人の除住民票


★「限定承認」とは
遺産相続の中に債務も含まれている人のために用意されている法律の中で、
2つめはこの「限定承認」です。

限定承認とはどんな物かと言うと、「相続した財産の中で、
債務を返済してもなおプラスの財産が残る場合にだけ、相続人として財産を相続する。」というものです。

例えば現時点でプラスの財産が多いのか、マイナスの財産である債務が多いのかの
判断がつかない時にも、この限定承認は有効な法律です。

条件付きで財産の相続をします、という意思表示なんです。


限定承認は、相続開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述し、
審判をしてもらわなくてはなりません。

さらに、相続人が自分1人だけではない場合、限定承認は自分1人だけ勝手に行う事ができません。

相続人が自分以外に存在(共同相続人)しており、限定承認をする場合には、
その共同相続人全員で限定承認しなければならないんです。

相続人が自分1人だけであったり、共同相続人全員が限定承認をしたい場合にはスムーズに進みますが、
共同相続人がいる場合には自分の意思1つで、対処出来ないのがデメリットかもしれませんね。


次のページでは、もし仮に相続した借金を返済しなかったらどうなるのかについても解説しています。

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